「サキヨミ」のオランダ型ワークシェアリング特集

フジテレビの「サキヨミ」でオランダでのワークシェアリングに関する特集をやっていたのが、
EU労働法政策雑記帳で過去読んだものと同様の内容だったことが印象に残ったのでエントリを起こしてみる。

受け売りではあるけれど、オランダの特色というのは、

  • 同一労働同一賃金(時給が同じ)
  • パートタイムの仕事の範囲が広い
  • 形態間の行き来が容易(パートタイム⇔フルタイム等)
  • フルタイムであっても労働時間の上限が明確(EUは全般的にそうみたい。残業代を払うとかそういう事ではない)
  • 雇用保険には形態を問わず加入させる義務あり
  • 派遣会社は雇い止めの後、次の派遣先を探す義務がある(常用型ということなのだろうか。詳細不明)

ということのようで、「サキヨミ」では、24時間稼働の工場でフルタイム(週5日)とパートタイム(週4日以下)と派遣労働者が混ざって働いている様子などが取り上げられていた。
それを見ていると、ワークシェアリングの話題で、よくオランダモデルを参考に、という意見をみかけるのもわかる気がした。徹底して合理的に制度が作られているように感じられる。

しかし、それだけならわざわざエントリを書こうとは思わないわけであって、冒頭で言った印象に残った、というのは、
この国で公共電波を使って放送されている映像が、合理的な制度を、偏向を感じさせずに伝えているということが新鮮だったからだ。とかくここ10年ほどでは、これって中間搾取業者以外損をしない合理的な話だよね、という内容は公共放送で目にしえなかったように思う。

テレビの惨状に目を覆うばかりの昨今にあって、(自分の採点基準の知識がWebからのものばかりというのは問題ではあるけど、)ケチをつけがたい内容を公共電波で放送してくれたスタッフを称賛するとともに、このことをもたらしたのが失墜した評価を地道に取り戻そうという動きの一環であることを切に願うばかりである。