パラ陸上のブラインド走り幅跳び(女子)を見て

TVでパラ陸上の女子走り幅跳び競技をやっていたのだが、健常者競技とその競技の違いは「選手が目隠しをしていること」だった。(基本的に目が見えていない人が協議参加しているのだろうが、さらにそこに目隠しをつけることで弱視の人にも参加資格が生じるのだと思う。違うかもしれないが。)

その競技の試技風景自体も驚きだったが、印象的だったのは、アシスト要員の誘導方法だった。

走り幅跳びなので、当然踏切り場所があるのだが、アシスト要員は選手が助走を始める前に踏切り場所付近に立って、発声か手拍子で選手に助走方向と距離と走行リズムをガイドすることでアシストするのである。

選手は、何も見えない中でアシストの音だけを頼りに走り始め、あらかじめ練習で把握した跳躍タイミングとアシストの合図で全力で空中に飛び出すのだ。

選手にとってみれば当然当初は存在したであろう巨大な不安を、アシストの人との信頼関係によって克服することによって、跳躍を敢行するまでに至っているのだ。これを感動的な光景と呼んでいけない理由がどこにあろうか。また、このように選手本人だけではなしえないようなことを実現させるサポートの在り方に、情報技術のあるべき姿を見た思いがする。